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2月19日 謙志館/剣士20名日体大剣道部(遠征中)/剣士10名メルボルン謙志館にて -
2月20日 メルボルン大学剣道クラブ/剣士17名メルボルン大学体育館にて -
2月21日 謙志館/剣士30名
メルボルン謙志館にて -
2月23日 NSW大学剣道クラブ/剣士15名シドニーNSW大学体育館にて -
2月24日 NSW州代表強化練習を指導NSW州代表候補/剣士20名シドニーボーイズハイスクール体育館にて
(講師)塚本六美 先生
岐阜県出身56歳/日本剣道連盟五段/昭和54年度早稲田大学剣道部主将/インカレ、国体、都道府県対抗等に出場/故渡邉敏雄師範の薫陶を受ける/上段(上段理論を追及中)
(塚本先生のコメント)
“オーストラリア剣士に上段を伝えよう” 剣道塚本プロジェクト
私は上段を構える者の端くれとして、その普及に何かお役に立てないかと考えてきました。
09年度の剣道世界選手権で、オーストラリアの剣士がベスト8に入る活躍をしました。カービー・スミス氏という上段の選手です。私はカービー氏に会ってみたいと思いました。と同時に体力やパワーのある外国の剣士に上段を教えたら面白いと思いました。
<メルボルンでの稽古>
オーストラリアの剣道事情はメルボルン駐在の篠田氏のブログで垣間見ることができます。 http://koalaten.blog72.fc2.com/
篠田氏には現地で大変お世話になりました。篠田氏によれば当地では上段の情報に飢えているとのこと。そこで私はまず上段を知ることの大切さを説き、上段のイロハのイからを指導する事から始めました。そして自分が上段で範を示すことで興味を持つ剣士が出ないか・・・という気持ちで稽古に全力を注ぎました。帰国後、上段の稽古を始めた剣士がいる事を知り、私はこの上無い嬉しさを感じています。
<シドニーでの稽古>
シドニーではカービー氏(世界選手権ベスト8)との稽古に集中しました。稽古の後、カービー氏は私にアドバイスを求めてきました。コーチングにおける一番重要な事は、相手が求めている事を具体的且つ的確に教える事だと思います。カービー氏の魅力はその身体能力の高さでした。カービー氏は謙虚にしかも素直にアドバイスに耳を傾けました。これも強くなるための資質だと思います。得意技である面をさらに活かす為の具体的な助言をしました。 短い時間の中で細かい欠点を修正するより長所をより伸ばすような指導を意識しました。今後のカービー氏の活躍が世界中から注目されるようになればしめたものです。
<コーチングについて>
私は地元の小中学生の指導を30年続けてきました。教え方を考えるようになったのは、数年前にオーストラリアラグビーのコーチングセミナーを受講してからです。そこでオーストラリアのコーチの熱心さにうたれました。理論や手法もさる事ながら、まずは伝えようとする心・熱意の大切さを教えられました。オーストラリアでの今回の指導で、私は同じことを心がけました。剣道は個人競技のため、各人の技量や長所、欠点を見極めながら「角を矯めて牛を殺す」ことのないようなアドバイスに終始しました。今回の指導は種を蒔いただけにすぎません。芽が出たら水や肥をやり育てて行きたいものです。そのためにも、今後もこのプロジェクトを継続していけるよう願っています。